2018-01-01から1年間の記事一覧

感情の因数分解

落ち着いたカフェにいて、コーヒーを飲みながら、本を読んでいた時のこと。最近の自分にしては珍しく、大変に腹が立つ経験をした。 その店は静かで、私を含めて一人客がほとんど。みんなまったりと、思い思いにくつろいだ時間を過ごしていた。セルフサービス…

「セミがついています」

猛烈に暑い真夏の盛りに、出来れば外なんて歩きたくないと思う。それはきっと誰しも同じだろう。それでも歩かなきゃいけない時はあるから、37℃とかいう桁外れの猛暑でも、歩いている人は結構いる。みんな汗をふきつつ、少々顔をゆがめつつ。 そんな日に、私…

最強の安全基地

「うわ、またこんな失敗してる…」「あーあ、ダメじゃん、こんなんじゃ。もっとこうしなくちゃ」なんて、日々脳内でつぶやいてはいないだろうか。 完璧主義とはいかなくても、自分にダメ出しすることって、普通にみんなあるんじゃないだろうか。もっと上手く…

今目の前にある現実の中に、その世界の片鱗はあるか

「ここではない、どこかに行きたい」高校生くらいのころから、よく考えていた。高校生活に何か不満があったとか、問題があったということではなくて、それなりに楽しくやっていた。単純に、旅に出たいという意味でもあったし、毎日の繰り返しに飽きていたと…

やさしい言葉をあつめる理由

先日行った博物館には、外国人のお客さんも多かった。その展示の内容を、係りの人が説明をしていたのだけど、アジア系の親子連れにも、やさしい日本語で説明をしていたのを見かけた。その親子連れはおそらくベトナムあたりの出身のようで、きっと英語で無理…

花粉の季節、ケンカ腰のあいつにかける言葉は

「はっくしょん!!」 はあー。またこの季節がやってきた。くしゃみを連発する人でいっぱいの、朝の満員電車。ほぼ全員がマスクをしているみたいだ。せっかく暖かくなって、もうすぐ春だというのに、この時期、花粉に悩まされる人にとっては最悪な季節だ。花…

「自分らしさ」でドヤ顔はしますけど、ありのままで良いわけではない

本屋さんが大好きで、立ち寄ると何時間でも居座ってしまうタイプなのです。いろんな本と目が合って、手に取らずにはいられない、あの出会いの空間。良いですよね。ある日、平積みになっていた文庫本に、女優の石田ゆり子さんのエッセイがありました。なんと…

どきどきさせて。

「あの、昨日の夜、ここでご飯食べてなかった?」オープンカフェの前で立ち止まって電話をしていた私は、電話を切った瞬間に話しかけられた。どうやら、そこで客引きをしている、バイクタクシーの運転手のようだった。私は友人たちと一緒にバリ島に滞在して…

音のない世界

音のない世界を、想像できるでしょうか? 雪が降ると、音を吸収する効果があるそうで、寒さと白い雪で覆われた景色、そしてしんとした静けさが普段と違う世界のように感じますね。私は行ったことがありませんが、砂漠でも同じように、音が吸収されてしまうの…

知らない人との会話で発見できること

はじめての出産をしたお母さんが、昼間ひとりで慣れない子育てにかかり切りになって、孤独感を感じる、という話を良く聞きます。自分の体調もまだ万全じゃないし、お父さんは仕事に行ってしまうし。赤ちゃんは可愛いけれど、まだ慣れないと、戸惑うことも多…

目的を見失わないために

中国の、上海出身の女性の友人が何人かいる。それぞれ別の機会に知り合ったのだけど、なぜか共通点が多くて、しかもそれがとても魅力的。まず、すごく前向きで積極的。少々強気ともとれる。笑顔がとても自然で、ぱあっと周囲を照らすような明るさがある。悲…

「自分でやった方が早い」を封印して大人の色気を身に付ける方法

美容院で時間をもてあまし、普段は読まないような雑誌をめくっていたら「モテる人は、人の良いところを見つけるのが上手」とあった。うん、確かにそうだろうなあ、と思いながら読んでいると、そういう人は、電車の中などで乗り合わせた知らない人に対しても…

夢と現実のはざまで見たもの

なんの予定もない、ある冬の休日の昼下がり。東京の冬は、乾燥して晴れわたる日が多いのだが、まさにそんな日だった。あまりにも天気が良いので、私は散歩に出かけることにした。外の空気はぴりっと冷たく、なんだか物の輪郭がはっきり見えるような空気。冬…

心と身体をつなぐもの

私は今、ヨガのインストラクターをしている。もともとはデスクワークの会社員をしていて、運動なんて全くしていなかった。そんな私が、なぜインストラクターになったのか。それが実は、私にもわからないのだ。そんなつもりなんてなかった。 なぜかわからない…

料理の愉悦

帰り道、私は冷蔵庫の中味と、残っている食材を頭の中でリストアップする。それは多くの主婦が、毎日していることかもしれない。スマートフォンでレシピ検索をしている人も、電車の中で良く見かける。もしかして、毎日の献立を考えるのにうんざりしてたりす…

世界は広くて美しい 

最近、旅に出ましたか? あなたが今まで行った場所で、一番思い出深いところはどこだろう? 最近は、海外旅行に興味がない人が多いと聞いて、それを私は、とても残念なことだなあと思っている。世界はとっても広くて、豊かで、美しいのに。 私の部屋には、ス…

駅弁とお守り

「えっ! しょうゆが入ってない……」がーーーーん。 すごく美味しそうな、にぎりずしのお弁当を買って、新幹線に乗り込み、さあ食べようとふたを開けたときに、しょうゆがないことに気が付いたら、どうしますか? お弁当選びは楽しい。特に電車の中で食べるお…

最強は、やさしい手当て

あの日、職場ではお休みを取っている人が多くて、私はひとりで忙しかった。パソコンに向かって長時間、集中して作業していた。おかげで仕事はとってもはかどったのだけど、私の身体がひどいことになってしまった。肩が凝りすぎて、背中の真ん中までバリバリ…

AI(人工知能)が小説を書いたら

人はギャップに弱いという。キリっとしたキャリアウーマンが見せる、ふとした優しい表情や涙。草食系と思われている男の子の、急にりりしく力強く見える行動。そんなものを、意外な瞬間に見せられると、うっかり恋に落ちたりする。 物語にも、このギャップが…

泣く練習

「おっ! 来るぞ、来るぞ!」 にやにやしながら、父が私を見ている。普段は大好きな父が、こんな時は本当に憎らしい。泣き虫な私が、泣き出す瞬間。口がへの字にひん曲がり、顔がみるみる赤くなり、目のふちに涙があふれてきて。「わああああああーーーーー…

おおげさな恋と嵐から子犬に助けられた話

「え!? 予約がキャンセルされてる? どういうことですか? 理由は?」私は焦ってまくし立てた。電話に出たホテルの担当者は、私の剣幕に明らかに困惑していて、それでもていねいに、理由は分かりかねますが、ミスターナカモトよりキャンセルのご連絡を頂い…

私のために、人にやさしく

私は、人に優しい。そして、どんな時でも周りを気遣う余裕を持っている。助けが必要な人がいれば、すぐに手助けを申し出る。そんな人間なのです。 自分で言うなよ!というツッコミが入りそうですね。 いや、まあ、これは希望というか、目標のようなものなん…

人間とは管のようなものだ もしくはちくわ

私に限らず、人は管のようなものだ。 もしくは、ちくわだって構わない。 口から食べ物を入れて、食道を通って胃、消化器官へ、そして肛門から出す。 身もフタもないけれど、構造上、それは誰であっても変わらない。 どんなに美しい人でも、どんなに頭のいい…

笑顔をありがとう;ハワイの天使たち

短い期間だったけど、私はハワイに住んで、働いていたことがある。そう言うと、たいていの人には 「いいなあー!」 「うらやましいー!」 などと言われる。私だって、そう思っていた。ハワイに住めるなんて、なんてラッキーなんだって。 だけど、実際は、「…

はじめまして

はじめまして。本日よりブログを始めます。 村上春樹さんの「村上ラジオ」とか森博嗣さんの「クリーム」シリーズのような気楽なエッセイが好きで、そんな本が書けたらいいなと思って勝手にこのブログで書き始めます。 ブログのタイトルも、思いつかなかった…